Q どうしてアルコールをのむと薄毛につながりますか?
アルコール摂取が薄毛につながる、その気になる理由とは
お酒の席は楽しいものですが、過度な飲酒は身体に様々な影響を及ぼし、その一つに「薄毛」のリスクを高める可能性が指摘されています。アルコールが直接的な原因となるわけではありませんが、間接的に髪の健康を損なう要因を複数生み出してしまうのです。
主な理由として、以下の5つの点が挙げられます。
1. 髪の栄養不足を招く
髪の毛の主成分は「ケラチン」というタンパク質です。このケラチンは、食事から摂取したアミノ酸によって体内で合成されます。しかし、アルコールを摂取すると、それを分解するために肝臓で多くのアミノ酸が消費されてしまいます。特に、髪の生成に重要な「シスチン」や「メチオニン」といったアミノ酸がアルコールの分解に使われてしまうため、髪の毛を作るための材料が不足しがちになります。
さらに、アルコールはビタミンB群や亜鉛など、髪の成長に不可欠な栄養素の吸収を妨げる働きもあります。これらの栄養素が不足すると、頭皮環境が悪化し、健康な髪が育ちにくくなります。
2. 有害物質「アセトアルデヒド」の影響
アルコールが肝臓で分解される過程で、「アセトアルデヒド」という有毒な物質が発生します。二日酔いの原因としても知られるこの物質は、体内に長時間留まることで様々な悪影響を及ぼします。
アセトアルデヒドは、男性型脱毛症(AGA)の原因物質とされる「ジヒドロテストステロン(DHT)」を増加させる可能性が研究で示唆されています。DHTは、毛乳頭細胞の働きを抑制し、髪の成長サイクル(ヘアサイクル)を短縮させてしまうため、抜け毛の増加や髪の細りにつながります。
3. 頭皮の血行不良を引き起こす
健康な髪を育むためには、毛根に十分な栄養と酸素を届けることが不可欠です。そのためには、頭皮の血行が良好であることが重要になります。
しかし、糖質の多いお酒をたくさん飲むと、血液中の中性脂肪が増加し、血液がドロドロの状態になります。また、アルコールの利尿作用によって体内の水分が失われ、脱水状態になると血液の粘度が高まります。これらの要因が重なることで、頭皮の毛細血管の血流が悪化し、髪の成長に必要な栄養が届きにくくなってしまうのです。
4. 睡眠の質を低下させ、成長ホルモンを減少させる
「寝酒」という言葉があるように、アルコールを飲むと眠りにつきやすくなると感じるかもしれません。しかし、実際にはアルコールは睡眠の質を大きく低下させます。特に、眠りの後半部分で眠りが浅くなり、夜中に目が覚めやすくなります。
髪の成長に欠かせない「成長ホルモン」は、深い睡眠中に最も多く分泌されます。アルコールによって睡眠が浅くなると、この成長ホルモンの分泌が妨げられ、髪の毛の修復や成長が十分に行われなくなってしまいます。
5. 肝臓への負担
過度の飲酒は、アルコールの分解を一手に担う肝臓に大きな負担をかけます。肝臓は、栄養素の代謝や貯蔵、タンパク質の合成など、生命維持に欠かせない多くの役割を担っています。
肝機能が低下すると、髪の主成分であるタンパク質の合成が滞ったり、全身への栄養供給がうまくいかなくなったりするため、結果的に髪の健康にも悪影響が及ぶことになります。
薄毛を防ぐための飲酒のポイント
薄毛のリスクを減らすためには、お酒との付き合い方を見直すことが大切です。
- 適量を守る: 厚生労働省が示す「節度ある適度な飲酒」は、1日平均純アルコールで20g程度です。ビールなら中瓶1本(500ml)、日本酒なら1合(180ml)が目安です。
- 休肝日を設ける: 週に2日以上は肝臓を休ませる日を作りましょう。
- 栄養バランスの良い食事: 飲酒時には、タンパク質やビタミン、ミネラルを豊富に含むおつまみを選ぶように心がけましょう。
- 水分補給を忘れずに: 飲酒中や飲酒後には、水やお茶などで十分に水分を補給し、脱水を防ぎましょう。
お酒は適量であれば、ストレス解消やコミュニケーションの潤滑油になるなど、良い面もあります。しかし、髪の健康を考えるなら、飲み過ぎには注意し、健康的な生活習慣を心がけることが重要です。
